中小企業のブランディングでは、誰に選ばれたいか、その相手に何を約束できるかを、実際の仕事から考えます。その方針を、営業での説明、Webサイト、ロゴ、会社案内などに反映し、使いながら確かめていきます。
「いい仕事をしているのに、外からは違いが分からない」。そんなときは、新しい言葉を考える前に、お客様が相談してくれた理由や、仕事を続けて任せてくれる理由を聞くことから始められます。
この記事の目次
「丁寧」「高品質」の背景にある行動を探す
丁寧さや品質を大切にしていても、その言葉だけでは比較する人に違いが伝わりません。何をしているから、そう言えるのか。一つの仕事をたどってみます。
見積もり前に現場を見ている。できることと難しいことを先に説明している。お客様が社内で相談できるよう、判断の理由を資料に残している。完成後も使い方の質問に答えている。こうした行動が、選ばれる理由の手がかりになります。
ただし、会社が自分で強みだと思っていることと、お客様が評価していることは同じとは限りません。営業や現場の話に加え、可能ならお客様の声も確かめます。まだ裏付けがない点は「確かめたいこと」として残します。
今のお客様と、これから増やしたいお客様を分ける
現在多い依頼と、これから育てたい仕事を書き出します。今の顧客を大切にしながら、新しい相手にも選ばれるには、共通して伝えることと、相手別に説明することを分ける必要があります。
たとえば、紹介で来る取引先には「何を任せられるか」と「誰が担当するか」が必要かもしれません。初めて発注する担当者には、社内で用意する資料や、見積もりまでの流れが気になるでしょう。同じ会社を紹介する場合でも、最初に答える質問は変わります。
相手を決めることは、ほかの仕事をすべて断ることではありません。限られた紙面や画面の中で、どの相手のどの疑問から答えるかを決めるためです。
会社の説明を、制作に使える形にする
方向性を決めたら、制作担当が判断できるところまで具体化します。「信頼感のあるサイト」だけでは、どんな写真や説明が必要かが分かりません。
| 決めること | 架空の店舗改装会社を例にすると |
|---|---|
| 届けたい相手 | 初めて店を開くオーナー |
| 相手が迷っていること | 希望はあるが、予算配分と工事の順番を決められない |
| 強みとして確かめたいこと | 初回の打ち合わせで、何をどこまで説明しているか |
| 伝え方の仮案 | 店づくりを、計画段階から相談できる会社 |
| Webで示すもの | 相談から工事までの流れと、判断が必要な場面 |
| 営業資料で示すもの | 希望・予算・時期について話す順番 |
| 写真で示すもの | 完成した店と、打ち合わせや施工の様子 |
この表は説明用の架空の例で、イマイソの顧客実績ではありません。実際には話を伺い、会社が約束できる内容を確かめてから方針を決めます。
内容を自社に当てはめて考えたい方へ、ブランドの方針づくりでお手伝いできることをまとめています。
事業承継のときは、残したい理由も聞く
会社を受け継いだとき、昔からのロゴや会社案内を変えたいと思うことがあります。一方で、長く取引しているお客様や社員には、その名前や見た目に結び付いた記憶があります。
そこで、変える理由と同じように、残す理由も聞きます。創業時から大切にしている仕事の姿勢は何か。お客様は何を頼りに発注しているか。今後の事業でも守りたいことは何か。そのうえで、現在の事業と合わなくなった説明や、若い世代に伝わりにくい表現を見直します。
ロゴを維持してWebや会社案内を改める方法もあれば、ブランド全体を見直す方法もあります。先代との好みの違いだけで決めず、これから誰に何を届けるかを判断の基準にします。
事業承継は、技術や想いを次の世代へつなぐ取り組みでもあります。承継全般については、中小企業庁が情報や支援窓口を案内しています。この記事では、そのうち会社の強みと伝え方の見直しを扱います。中小企業庁「事業承継を知る」
ロゴ、Web、名刺。どこから着手するか
すべてを一度に新しくする必要はありません。今、お客様が会社を知ってから依頼するまでに、何に触れているかを並べます。紹介、Webサイト、打ち合わせ、見積書、会社案内。その中で、説明が食い違っている場所や、必要な情報が足りない場所から検討します。
Webには新事業が載っているのに会社案内にはない。担当者によって会社の紹介が違う。こうした状態なら、共通する説明を決めることが先の課題です。ロゴを変えるかどうかは、認知の状況や使い続ける場面も見て判断します。
費用も、聞き取りの範囲と、実際につくるものによって変わります。方針づくりまでを頼むのか、ロゴ・Web・資料まで展開するのかを分けると、見積もりの内容を比較しやすくなります。
決めた方針を、現場で使って確かめる
言葉が決まったら、営業で説明してみる。会社案内に反映する。サービスページを見直す。使う場面を決めて、誰が変更するかを共有します。
確認するのは、見た目がそろったかだけではありません。担当者が自分の言葉で説明できるか。伝えた内容と、実際に提供している仕事にずれがないか。お客様からどんな質問が返ってくるか。そこで気づいたことを、次の説明や制作に反映します。
アクセス数が増えたことだけでブランドづくりが成功したとは判断できません。増やしたい仕事の相談が来ているか、商談で伝わりやすくなったかなど、事業の目的とつなげて見ます。
イマイソへの相談は、方針づくりからでも、制作からでも
イマイソでは、ブランド・マネージャー1級の正岡が話を伺い、事業と顧客、伝える内容を考えます。方針づくりだけのご相談も、ロゴ・名刺・Web・会社案内などの制作につなぐご依頼もお受けしています。制作はパートナーと分担して進めます。
大阪近郊では訪問、全国ではオンラインを中心に対応しています。現地で話を伺う必要がある場合もご相談ください。今の会社案内やサイトと、これから増やしたい仕事をお聞かせいただければ、相談を始められます。
